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さぁや、林さんにインタビューするってよ。レポート

FILM LOVERS × NADAR
フィルム写真月間関連イベント①
さぁや、林さんにインタビューするってよ。

9月4日(金)の夜、
NADAR代表の林和美さんへの
インタビューを行いました♪
ブログではダイジェスト版をお届けします♪
ちょっと長めですが、
お楽しみいただければと思います!

【林さんの学生時代】

さぁや:まず、林さんはいつどういうきっかけで
写真を始められたんですか?

林さん:僕が写真を撮り始めたのは、
高校のクラブ(部活)を決めるときです。
僕、運動神経がないんですよ。
文化部で探してたんですけど、
家に兄貴のカメラがあったので、
写真部が面白いかも?
と思って入ったのが最初です。
だから…15歳?から。

さぁや:もともと写真はお好きだったんですか?

林さん:……(無言で首を振る)

さぁや:(笑) 写真部、楽しかったですか?

林さん:楽しかったです。
昔の写真部なので当然フィルムしかなくて、
最初に部の見学に行くと
暗室に連れて行かれて、
プリントするのを
見せてもらえるわけですよ。
あー、楽しそうだなぁって思って。
写真撮って放課後集まっては
現像やプリントをやってましたよ。

さぁや:部活で使っていたのは
モノクロフィルムですか?

林さん:カラーはほとんど撮ってなかったですね。
大学に入ってからもずっとモノクロで撮って
カラーで撮り始めたのは
35歳になってからです。
「ゆびさき」っていう
モノクロの写真集があるのですが、
それが出るまではモノクロで撮ってました。

「ゆびさき」
2000年にギャラリーをオープンしてからの
2年分のモノクロ写真が収められた写真集。

そのあと、カラーもやりたくなって
友達に教えてもらって
カラーでも撮り始めて。
そしたらもう色のある世界に虜さ★

さぁや:虜さ★(笑)大学で学ぶほど
写真が好きになってたんですね。

林さん:好きだって勘違いしてたかな。(笑)
「写真家」が何かはわからないけど
写真家になるって思ってた。
田舎にいたから本屋さんに写真集とか、
写真関係の情報とかもなかったし。
本当は東京にいって
専門学校に行きたかったけど
親が「大学には行ってくれ」って言うので、
大阪芸術大学に行きました。
この頃からやりたい事があったっていうのは
しあわせだったなぁって思います。


【林さんとギャラリー】

林さん:みんながスタジオとかに就職を決める中、
僕は写真とは全然関係のない
広告代理店の営業に入ったんです。
でもつまらなくて。
写真関係の友達と喋ってたら、
ストックフォトの仕事を見つけたんです。

「ストックフォト」
ストックされている写真から
パンフレットやチラシに
使える写真を貸し出す仕事。

そのストックフォトの仕事をやりながら、
もう少し写真で何かやりたいなって思って
後輩の男の子と一緒に
大阪の駅前で写真を並べて、
あげてたんです。

さぁや:売るんじゃなくて?

林さん:そう、売るんじゃなくてあげてたの。
そしたら、ファンの子ができて、
缶コーヒーの差し入れくれたり、
サインしてくださいって言われたりして
楽しいな~と思いながらやってたら、
当時勤めてた会社のバックルームで
お昼を食べてたときに、OLさん向けの
フリーペーパーが置いてあって。
そこに「画廊経営塾 3万円」
って書いてあって!
3万円でできるの!?って。
怪しいけどヒマだし行ってみたら、
画家崩れの怪しいおじさんがやってる所で。
でも来てる人はビルのオーナーとか、
コレクションがありすぎて
どうにかしようとしてる
お金持ちのおじさんおばさんばっかりで、
若い子が僕だけだったの。
そしたら怪しいおじさんが気に入ってくれて
「次の講座タダでいいからおいで」
って言われて。

会場 :笑

林さん:そこで知り合った
ギャラリーのオーナーさんに
「安く貸すから何かやってみな」
って言われて。
仲間内に声をかけて
ポストカード展をやったんです。
そしたらうまくいって。
で、今度は自分でギャラリーやろうかな
って思って場所を探し始めたんです。

【ギャラリーを始めるまで】

さぁや:場所はすぐ見つかったんですか?

林さん:会社から家に帰る途中の
二駅分くらいを歩いて探してて。
古くて安い物件か、
公園のそばがいいと思ってたの。
そしたら古い農林水産会館
っていう所があって、
空いてるって書いてあったから
聞いてみたら事務所に通されて。
空いてた上の階の部屋は家賃が高くて無理で
断ったら「何やりたいの?」って聞かれて。
ギャラリーをやりたいので
光とか入らなくていいから
安い場所を探してるんですって説明したら、
「下の物置が空いてるから見てみるか?」
って。
そこ見せられて「いくら出す?」って…。

さぁや:こわい!(笑)

林さん:相場とかわかってなかったから、
自分の家の家賃とかも考えて、
これくらい…?って言ったら
「じゃあそれで」って。
もっと安く言っておけばよかったー(笑)
そこから2ヶ月くらいで
ギャラリーを作りました。

【NADAR誕生】

さぁや:NADAR(ナダール)っていう
名前の由来は何ですか?

林さん:ナダールさんっていう
有名な写真家さんがいて。
いろんな才能がある人で、
スタジオ写真もやっていたので
有名な人や新しい才能がある人たちが
集まっていたらしくて。
で、ギャラリーの名前に
いいんじゃない?って。
大学の頃から何か始めるなら
NADARにしたいと思ってたの。
最初の展示は有名な写真家さんの
事務所に電話して、
すぐ東京に会いに来て話をして。

さぁや:快諾してくださったんですか?

林さん:「儲かんねぇぞ?」って言われながら
協力してもらって。
そしたら新聞や雑誌が取り上げてくれて、
みんな来てくれて。
それが2000年の6月です。大阪で。

さぁや:写真専門のギャラリーにするのは
当時から決めてたんですか?

林さん:絵のことはさ、わかんないじゃん。
でも写真ならわかるかなって。
本当はモノクロ専門の
ギャラリーにしたかったんだけど、
それじゃあ狭すぎるかなぁって。
で、写真専門のギャラリーになりました。

さぁや:東京に出てきたきっかけは何ですか?

林さん:青幻舎っていう出版社の人と
さっきの「ゆびさき」を作っていって。
俺これいけちゃうんじゃないの?
ってまた勘違いして。
大阪は他のスタッフに任せて
2003年に東京にきちゃったんです。
だからNADAR/OSAKAはほとんど
スタッフとお客さんに作ってもらったの。
俺は3年しかいなかった。

さぁや:東京でもNADARをスタート…?

林さん:んー、特に決めてなかったんだけど、
ギャラリーだったら出来ると思って。
ただ自分の部屋とギャラリーの部屋の両方を
借りる余裕もなかったから、
じゃあもうギャラリーに住んじゃえって。
ギャラリーで普通に生活してた。
つまり写真展する人が
うちの家賃を払ってくれるの(笑)

会場 :爆笑

林さん:あんなに写真と生活してる人
なかなかいないと思うよ(笑)
中目黒のワンルームで2年か3年間くらい。
そのあと、知り合いの人の紹介で、
渋谷にあるスペースが空いたから
ギャラリーやってみる?って言われて
渋谷でNADARを始めて。
そのときやってた写真教室の生徒さんが
今のNADARの店長。(早苗さん)

会場 :おおおお~。

林さん:今あるここのNADARの場所も、
ここのビルのオーナーさんが
写真教室の生徒さんで
空いてるよって教えてもらって
ここに決めたの。

さぁや:人との縁というか、つながりですね…。

林さん:そうだねぇ~。

さぁや:林さんの人柄ですね。

林さん:いいこと言うねぇ~!(笑)

【ギャラリーで写真を飾ること】

さぁや:NADARさんは写真専門ギャラリーですが
写真をギャラリーで飾ることの
醍醐味って何ですか?

林さん:ギャラリーを始めるときにも
よく言われたんだけど、
ネットで写真を簡単に発表できる時代に、
何でわざわざ場所をもつのかっていう。
場所があることでこうして人が集まるし。
やっぱり何が大事かなって考えたら、
同じ空間で同じ時間を過ごす
ってことだなって思って。
写真を飾ってることで、
飾った本人はそこにいてもいいし
飾ってることで話すことも
あるわけじゃないですか。
大人になって人を呼べる機会って
なかなかないんですよ。
結婚式と葬式くらいでしょ。
葬式はもういないしね?(笑)
でも写真展だったら気軽に呼べるでしょ?
年賀状だと送りっぱなしだけど、
写真展の案内で来てって書いてあったら
じゃあ行ってみようかなってなるじゃない。
久しぶりの再会のきっかけになったり。
そういうのだけでも
何かいいなぁって思うんですよね。
だから、場所があることは大事だなぁって。

さぁや:今、カフェとかでも
気軽に写真を飾れる場所が
増えてきてると思うんですけど、
ギャラリーで飾るよさってどこですか?

林さん:観るところに特化してるところかな。
観るっていう姿勢が違うと思う。
ワンオーダーとかしなくてもいいし(笑)

さぁや:NADARが大事にしてる事はありますか?

林さん:もともと何かあったわけじゃないけど、
やっているうちに思ったのは、
何でも受け入れたいなって。
僕が何かを判断するわけではなくてね。
それから何かを否定しないこと。
NADARっていろんなものが観れるよって
思ってもらえたら面白いなって思ってて。
だからどんな展示もね、やりたいっていう
その気持ちが大事だと思うし、
やってみてお客さんとかから反応もらって
学ぶこともあると思うし。

さぁや:やることに意味がある…。

林さん:と、思うなぁ~。


この他にも、
社会人時代の裏話、
今後の野望や林さんの書籍の紹介、
参加者さんからの質問タイムなど、
楽しいお話をたくさんお聞きしました!

ギャラリーの方にお話を聞くというのは
とても貴重なことだと思います。
しかも、こんなにフレンドリーに
いろんなことに答えてくださることは
きっと滅多にないことです!

私のワガママにも快く応じてくださった
林さん、本当にありがとうございました!

写真を撮影して下さった早苗さん、
そして参加者のみなさん、
楽しい時間をありがとうございました!

謎のオフショット。
どうしてこうなったのか覚えていません。
林さんは本当に楽しい方です。

さて、次回は
フィルム写真月間関連イベント
「おしゃべり会 at NADAR」のレポートです。
お楽しみに~~♪

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